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なぜ、小山ロールは1日1600本売れるのか?

小山ロールはエスコヤマの目玉商品で、1本1260円のロールケーキである。冬の繁忙期は1日1600本作らせて頂いた。小山ロールは上代価格に対してかなり原価がかかっている。しかし、お客様に喜んでもらうには、最上の材料を使って、お客様にとっての適正価格で提供するしか考えられない。そこで妥協しなかったから、小山ロールのファンは加速度的に増えたのだと思う。

ロールケーキは、どこのケーキ屋にもある定番アイテムなので、お客様が比較しやすい。定番商品の中でも、ロールケーキは、オリジナリティを出しやすい。

当時、斬新なロールケーキではなく、すべての世代に受け入れられるような、普遍的なロールケーキを作りたいと考えた。炊きたてのご飯のような、ふんわりしていながら、もちっとして、なおかつしっとりしたロールケーキを作れば、普遍的なロールケーキになるのではないか。

それから毎日試作を重ね、3年かかって、ようやく一点の妥協もない小山ロールが生まれた。小山ロールには、無性に食べたくなる、まさに人が無意識に求める一品であり続けたいという決意があるのだ。

丁寧という力を武器にしよう

すべての仕事はものづくりに通じている。パティシエも、毎日同じ作業の繰り返しである。毎日、小麦の分量を量って、牛乳を同じ温度まで温めて、同じタイミングでかき混ぜる、その繰り返しが続くのだ。

どんな仕事をしていても、ルーティンワークが続くことは避けられない。それを一つ一つ丁寧にこなしていくうちに基礎力がついてくる。そして、日々培われた基礎ができてきて、はじめて工夫が生まれる。

どんな仕事にも工夫する面白さはあるはずだ。工夫は人から言われて見つけるのではなく、自分で見つけた時に喜びとなり、働くモチベーションとなる。無からは何も生まれない。あるものを発展させ、変化させていくのが創造なのだ。

小さいことも丁寧に取り組むこと

丁寧さとは、特別な能力が必要なのではない。日常的にあるちょっとした人間関係や、生活習慣が基本になって作られる。社会生活を送っている人なら誰でも、人前では丁寧な態度で接しているのではないだろうか。それは、上司だったり、取引先であるかもしれない。相手がどうしたら喜ぶか、どうしたら相手のためになるか真剣に考えるだろう。つまり、丁寧な力とは、人の役に立つ力でもあるのだ。

小さいことをおろそかにする人は、必ず大きなこともおろそかにする。小さいことにどれだけ丁寧に取り組めるかによって、その人の仕事に対する意識は決まってしまう。大きな目標を目指すのであっても、まずは小さなこと、地道なことを確実にできるようにならないといけない。